12月2日、筑波大学で”地方自治の視点から社会資本整備を考える”と題して講義をしました。
「社会基礎学 ~グローバル人材に社会が求める教養~」という連続リレー講義で、総合科目として全学生のみならず一般市民等も対象にした公開講座として行われました。
私は、人口減少時代という厳しい条件の中で、「投資の選択と集中」の必要性はもちろんだが、市民にとって新しい価値を創造する社会資本投資が大切となると強調しました。
そして、「アオーレ長岡」や「子育ての駅」等の実例を基に、河川、道路、建築等の異なる分野間の横の連携を図ることの大切さをお話ししました。
生徒からはしっかりと聞いてもらったようです。
「筑波は人工的に計画された都市なのでもっと市民の手で潤いのある空間を作りたいがどう思うか?」や「自分は市民を巻き込むイベントをつくばで実施している。行政を巻き込むにはどうしたらよいか?」などの鋭い質問が多く出ました。大変実のある質問コーナーになり、感心させられました。
後半は、私に加えてお二人の講師が講義をした後、「我が国が直面する構造改革と社会資本整備」と題したパネルディスカッションを行いました。
首都高速道路(株)取締役常務執行役員の中原淳さんとエム・アール・アイ リサーチアソシエイツ(株)副社長の平石和昭さん、コーディネーターは筑波大学生命環境系・教授の佐藤忍先生でした。
そして、会場とのやり取りが社会資本整備の話題にとどまらず実に活発に行われました。
例えば、「社会のトップリーダーとして活躍するためにはどんな資質が必要か?」という質問がでました。
中原さんが「様々な経験や他人の意見を自分のものとして取り入れる感受性が大切です。」と回答しました。
また、私は「専門性を深く掘り下げるスペシャリストタイプの人と各専門分野を横に連携させるゼネラリストタイプの人とがいますが、社会にとっては両方必要です。リーダーにはゼネラリストとしての資質が必要ですが、皆さんは、まずは自分の専門分野に精通してほしい。自らの基盤がないゼネラリストはともすると軽い評論家に終わってしまう。専門性をしっかりと身に着けたうえで他分野と比較する能力を磨きながらゼネラリストに成長していくことが大切です。」と、答えました。
今回の講義は、すっしりと思い手ごたえを感じて帰ってきました。
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