日本が誇る技術の結晶!大塚国際美術館の高い可能性を実感


 1月24日に、大塚国際美術館に招待していただきました。
「本物の名画を陶板で複製した美術館であって美術的な価値は高くないのではないか。」という印象しかなかった私でしたが、現場に行ってみると日本の誇るべき技術に支えられた美術館であり、高い可能性がある技術であることに気づかされました。
 エントランスホールに入るとすぐの正面に「システィーナ礼拝堂」がそっくり復元されています。参観者はここでまず、度肝を抜かれます。

 ミケランジェロの天井画の複製を目の当たりにできるというだけではありません。実物のシスティーナ礼拝堂とそっくり同じ空間で鑑賞しているわけです。
 実際の空気感のなかで鑑賞できる素晴らしさは、やはり行ってみなければわかりません。言葉にならない体験でした。


 大塚国際美術館では空間と一体化した天井画や壁画を再現した展示を「環境展示」と名付けています。システィーナ礼拝堂だけでなく「スクロヴェーニュ礼拝堂」や「ポンペイの秘儀の間」などをはじめ12の環境展示があります。
 制作に携わったスタッフの方から、許可を取るための交渉や寸法の把握など様々な苦労話を伺いました。

 この美術館の複製は、大塚オーミ陶業(株)というグループ企業の持つセラミック技術を最大限に生かすことで可能となりました。大杉社長さんからその技術開発の歴史を伺いましたが、大変な努力の結晶ということがわかりました。
 この技術は、劣化する文化財を半永久的に記録することができるという高い意義があります。敦煌の莫高窟などの文化財は今この瞬間にも劣化が進行しています。それらの劣化する文化財を、この技術を用いて半永久的に残すという意義は極めて大きいと言えるでしょう。

 例えば、上は、レオナルド・ダ・ビンチの「最後の晩餐」ですが、左が修復前、右が修復後のものです。文化財とはこんなに劣化するものだということがよくわかります。壁画を修復した技術はもちろん称賛されるべきだと思います。しかし、レプリカとはいえ実物と同じものを半永久的に残せるということは大変な価値だと思います。
また、修復前の傷んだ状況をそのまま記録として残せるということも、ある意味で貴重な技術ではないでしょうか。

 ギリシャ、ポンペイ等の古代、イコン、聖堂の壁画等の中世、レオナルド・ダ・ビンチ、ボッティチェリ等のルネッサンス、レンブラント等のバロック、ルノワール、ゴッホ、セザンヌ等の近代、ピカソ等の現代という西洋美術の歴史に輝く作品を、いちどきに見ることができるというメリットが、如何に大きなものであるかということも実感できます。
また、一般人が簡単には見ることができない文化財を身近に鑑賞することができるということ、さらには、美術品に気軽に触れることができるということは、大きな意義があるといえましょう。
このような可能性をかみしめながら各作品を見ていくことができました。私にとって貴重な経験でした。

 皆さん!大塚国際美術館は一見の価値があります。ぜひ、現地に行き体感してみてください!

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