読売新聞に全国市長会会長としての抱負を語る


090526_yomiuri.jpg 6月3日の全国市長会総会で、第28代会長に選出される運びとなり、読売新聞長岡支社の有田記者から会長としての抱負について取材を受けました。
 記事は、今日(5月26日)の読売新聞新潟版に掲載されました。

 取材は約40分続きましたので、私が語った内容をコンパクトにまとめることは、大変骨が折れるたのではないかと推察していますが、上手にまとめていただきました。

 ただ、改めて読み直してみると、私の側に多少の気負いがあったようで、市長の原点、言い換えれば地方分権の原点について、十分語れなかったのではないかと反省しています。
 市長に就任して約10年になりますが、市長として大変幸せな仕事をさせていただいたと思っています。
 第一に、市民の気持ちを肌で感じながら仕事ができたこと、第二に、産業、福祉、教育等、あらゆる分野を横断的にとらえた仕事ができたこと、第三に大災害において市民に信頼されながら仕事ができたこと等々です。

 その気持ちを忘れることなく、会長職を務めていきたいと考えています。

読売新聞の記事の内容
 森民夫・長岡市長(60)が6月3日の全国市長会総会で、28代会長に正式に選出される。任期は2年。会長就任を前に、立候補した思いや抱負を聞いた。(聞き手・有田考行)
Q1立候補の動機は。
 政権選択の衆院選が近く行われる。昭和初期にも2大政党時代があったが、2大政党制は日本人にとって感情的対立を呼びやすい面がある。
 それを防ぐとすれば、「第3の極」として、冷静に意見を言うグループが必要だ。その一翼が全国市長会だと思っている。今までは政府に陳情することが全国市長会の役割の中心だった。
 これからは、政策をしっかりと提言し、日本をいい方向に導く市長会でなければいけない。その一翼を担いたいと、立候補した。
Q2地方から政府をどう見ているか。
 私は中央官庁(旧建設省)出身で霞が関のことはよく分かっている。市長として地方のことも分かっている。
 長岡には、かけがえのない良さがある。中越地震後のつらい状況の中、被災者は「ありがとう」の気持ちを忘れなかった。そういう文化が地方には残っている。
 東京を中心にした大都市は、人を非難することでストレスを解消する社会。90点をとっても、間違った10点を責める雰囲気がある。政府は、ちょっとした欠点もメディアにたたかれ、臆病になり、思い切った政策が出てこないようにみえる。市長も当然、メディアの影響を受けるが、比較的、思ったことが言え、思った通りに、市民協働の政策を実行できる立場だ。
 長岡の「シティホール」「子育ての駅」がその例だ。長岡は90点を素直に褒める社会。前向きな社会から生まれた政策はしっかりとしたものになるという信念がある。地方にいる幸せをアピールしたい。
Q3具体的に何を訴えるのか。
 日本は成熟社会になったから、どの政党も「生活、暮らしの向上を」と口にする。だが、生活・暮らしのプロは市長。素人の霞が関が、プロに、はしの上げ下げまで指示するのはおかしい。
 目的・理念だけを決め、あとは任せてくれと言いたい。
Q4地元を留守にする機会が増えそうだが。
 3期目ともなると、市役所の組織が育っているし、職員の特質も分かっている。市長になってこの10年で、間接的でも、私の理念が実現に向けて動くようになった。全国で力を発揮できるゆとりができたと言える。
《全国市長会》
 全国の市長、特別区長で組織する連合組織で、地方6団体の一つ。市政に関する中央と地方の連絡調整や、地方自治に影響する法律などについて内閣への意見申し出、国会への意見書提出などを行う。
 新潟県内からの会長就任は14代の渡辺浩太郎・新潟市長以来、2人目。森市長は07年6月から1年、副会長を務め、現在は相談役。