早稲田大学大隈記念小講堂で「第1回地方行政リーダーシップセミナー」を開催


 1月24日、早稲田大学環境総合研究センターのご配慮で、大隈記念小講堂にて第1回地方行政リーダーシップセミナー」を開催しました。
設立ホヤホヤ(1月7日)の「地方行政リーダーシップ研究会」の初仕事です。
 市町村長、副市長村長、市町村議会議員など約80名の参加があり、下記のテーマと講師でまずまずのスタートを切ることができました。

  1. 「Society5.0と地方創生」 野村総合研究所顧問、東京大学公共政策大学院客員教授 増田寛也氏
  2. 「地方自治体の災害初動対応」~頻発する広島土砂災害への対応と課題 元消防庁国民保護・防災部長、前広島市副市長 室田哲男氏
  3. 「地域発の生きた政策を目指して~私の背中を押してくれた言葉」 森民夫
  4. 「早稲田大学環境総合センターの取り組み紹介」 同センター上席研究員、W-BRIDGE副代表 岡田久典

 「Society5.0と地方創生」と題した増田寛也氏の講演の内容は、①狩猟社会(Society 1.0)、②農耕社会(Society 2.0)、③工業社会(Society 3.0)、④情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会が「Society5.0」であること、また、IoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながり、必要な情報が必要な時に提供されるようになり、ロボットや自動走行車などの技術で、少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差などの課題が克服される社会であることを解説しました。

 室田哲男氏は、広島市副市長時代に土砂災害に直面した経験を踏まえ、平成11年6月、平成26年8月、平成30年7月それぞれの豪雨による土砂災害の状況をまず説明。さらに、避難勧告の発令基準や土砂災害危険地域の周知、市の体制の見直し等の対策の徹底について、時系列に沿って丁寧に解説しました。

 私は、次の3つの言葉、(1)縦割りと縦割りの隙間には宝物が転がっている。(2)行政は「公平」市民は「自由」という異なる持ち味を活かしあうのが真の市民協働です!(3)政治の要諦は聴くことです!それぞれについて説明。
 これらの言葉が、長岡市の地域発の施策、(1)子育ての駅、(2) 熱中・感動・夢づくり教育における教員サポート錬成塾、(3)総合支援学校のカリキュラム改革、(4)アオーレ長岡の4つの施策の立案の原動力となったことを解説しました。
 また、一般社団法人地方行政リーダーシップ研究会の今後の活動方針として、①市町村が生きた政策を発信するためのセミナーを開催する一方、様々な行政課題に関する相談を受ける。②受けた相談について、相談者と一緒に悩みつつ、解決策を模索する場を目指す。③官界、民間、学会等の志のある方と地方行政関係者との交流の場を創設する。以上3つの方向で発展させていきたいという方針を説明しました。

 最後に、早稲田大学総合環境センターの岡田上席研究員が、同センターの取り組みを紹介。
 W-BRIDGEプロジェクトと地方創生のためのソーシャルイノベーション研究プロジェクトの説明がありました。時間が足りずに残念でしたが、大変、広範囲で充実した活動をしてきたことがよくわかりました。

 今回は、初めてのセミナーでしたので手探りで進めた面もありましたが、結果的に思った以上の市町村長が参加してくれました。早稲田大学総合環境研究センターのおかげで、まずまずのキックオフになりました。ありがとうございました。