10月30日、港区六本木の政策研究大学院大学で講義をしました。同大学の武田文男教授の「消防防災減災」の講義の一環として、中越地震における「現場」のお話をしました。
8名の履修者は、全員公務員や民間の社会人で、少数精鋭の講座でした。それだけに皆さん問題意識が高く、30分とった質問時間を超えて質問があり、次の講義開始直前まで使ってしまいました。大変、手ごたえを感じた講義になりました。
終了後、武田先生、菅原先生を含む全員で記念撮影をしました。このようなことができるのも、少数精鋭の講義だからです。
今回は、時間が足りず用意したパワーポイントの後半を端折ってしまいました。
なお、以下に講義内容のレジュメを掲載します。
はじめに 自己紹介等
第1章 防災の基本-関連法令と防災基本計画
1.災害対策基本法と災害救助法
(1) 災害対策基本法の概要
(2) 災害救助法の概要
(3) 知事と市町村長の権限
2.災害対策基本法に基づく防災基本計画の概要
(1) 防災基本計画の構成
(2) 市町村の地域防災計画について
第2章 長岡市における災害
1.平成16年7月新潟・福島豪雨
2.新潟県中越地震
3.全国のモデルとなった長岡市の復旧・復興対策
第3章 災害応急対策
1.避難指示、避難勧告、避難準備・高齢者等避難開始
参考:警戒レベルを用いた避難勧告等の発令(内閣府)
2.避難所の開設と運営
(1)指定避難所
(2)予期しない事態
(3)避難所の状況
(4)現場の決断の重要性
3.マスコミ等への対応-災害対策本部会議の公開
4.応急仮設住宅の建設(災害救助法第4条第1項第1号)
(1)コミュニティの持つパワーを活用した仮設住宅
(2)仮設住宅地区内の店舗
(3)仮設住宅を利用した「サポートセンター千歳」(全国初)
参考:東日本大震災被災地への厚生労働省事務連絡
(4)応急仮設住宅に係る基準等
第4章 災害復旧・復興対策
1.生活支援金制度の問題点と改善
2.被害状況調査と罹災証明書の交付
3.災害関連死への対応-災害弔慰金支給審査委員会の設置
4.集団移転の成功のカギ-時間をかけた話し合い
参考:小規模住宅地区改良事業を適用(災害復興では全国初)
5.被災者を元気づけるための中山間地型復興住宅の開発
(1)木造復興公営住宅(山古志竹沢団地)に適用
参考1:宮城県気仙沼市内湾地区での応用
参考2:奈良県十津川村の復興住宅での応用
6.コミュニティパワーを引き出した復興基金制度
(1)復興支援組織を設立
(2)復興基金事業のメリット
(3)メモリアルの拠点施設を整備
(4)復興支援員の活躍
7.住民パワーによる復興
(1)木籠メモリアルパーク
(2)山古志のお母さん達が食堂を開店
(3)住民の総意と負担でバスを運行
(4)自主防災会の結成率の上昇
(5)市民が打ち上げた復興祈願花火「フェニックス」
第5章 防災体制の強化
1.地域防災計画の見直し
2.災害情報伝達体制の整備
3.避難所環境の整備
4.中越市民防災安全大学の開講
5.防災拠点の整備(本部、防災公園)
(1) 災害対策本部会議室
(2) 長岡市民防災公園の整備
6.中越地震の教訓を生かした被災地支援
第6章 糸魚川市駅北大火からの復興
1.大火前のまちなみ(レトロな景観、建物が密集)
2.復興の道程
3.活用した各種事業
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