2月22日、新潟港の活用により地域経済の活性化を考える「物流改革連続セミナー」を長岡グランドホテルで行いました。新潟市・長岡市・三条市・聖籠町から成る「新潟港利用・地域経済活性化実行委員会」が主催しました。
東レ㈱の実践事例では、購買物流部門・物流部長の橘氏から発表があり、各企業ともCO2の25%削減をはじめとした地球温暖化対策に必死に取り組むさなかに、「21世紀は環境による産業革命を行う時代」と断言。共同輸送や共同保管など、物流の構図が画期的に変わるというお話をされました。
続いて、㈱三井物産戦略研究所の地域活性化支援センター長の神田氏からは、環日本海物流促進による物流戦略についてお話がありました。
過去5年間の自動車生産台数では、日本は減少しているものの中国では2.3倍と増加しており、環渤海経済圏の経済規模が急激に拡大しているとのことでした。
新潟港においても外貨コンテナ取扱量は順調に増えてきております。東南アジアからのLNGや木材チップなどの原材料の輸入が大半を占め、輸出ではロシア向けの中古車が約半分ですが、空コンテナの活用が当面の課題です。
中国やロシアの経済発展が大きく様変わりしてきているなか、シベリア鉄道の利用を視野に入れながら、どう新潟港を発展させていくか、世界的な視野で考えなければならない時代です。
国際的にみると、国策によって重点投資してきた中国・上海や韓国・釜山に日本の港はかなわない状況で、横浜港や神戸港の地位さえも低下しています。
前原国土交通相もハブ港の必要性を説き、港湾の国際競争力を高めようと動き始めました。日本海側の拠点港湾整備に意欲を示しており、28日には新潟港を視察するとのことです。
今後は、三条や長岡などのモノづくりの周辺産地が連携し、製造業・物流業・行政が一体となって、新潟港の利用活性化につなげていかなければなりません。