四川大地震復興支援―北京で中越地震の体験を講演


012beijin.jpg 6月29日から7月5日まで、四川大地震の復興支援のため、兵庫県、神戸市関係者等と共に、北京と四川省を訪問しました。
 1日には、北京において中国政府、国際協力機構の共催で開催された「日中復旧・復興支援セミナー」に出席し、被災経験のある市長として基調講演をしました。
 中国建設部の李兵弟農村建設局長や四川省建設庁の李又副庁長等の行政関係者、及び、清華大学の顧教授等の学識経験者等約200名が参加しました。

 今回の四川大地震は、被災地が極めて広域で、山古志村級の被災地が数千か所あるような印象です。そのため被害規模が極めて大きいのだと思います。また、被災地には少数民族が多いことや中央政府と地方政府の関係が日本とは異なることや行政区域の違いによる壁が予想以上に大きいこと等の日本とは異なる問題を抱えています。その一方で、日本の経験が役に立つ面も多いと感じました。

 例えば、次の三点については、中国側の関心も高く、参考にしようという強い意欲があるとセミナーを通じて実感しました。
 第一に、仮設住宅の建設、管理に当たってはコミュニティの維持を大切にすべきこと。第二に、被災者の元気を維持するためには行政側は被災者の自助努力を引き出す政策が肝要であり、自助、共助、公助の調和が必要である
こと。第三に行政側が安価で耐震性や景観等に配慮したモデル住宅を開発し住民や建設業者に示すことが有効であるということの三点です。

 なお、セミナー終了後、四川省を訪れ、今後の支援策の在り方について勉強しましたが、この点については、後日報告します。